眠れない時のノート

恵まれた家庭の中で自分だけが異物として生まれた疎外感、自分と社会を隔てる壁があるとは思わず、ぱっくりと切り離されているように感じる。崖の向こう側。日によっては歩いて渡ることもできる、外へ出て普通と同じようにふるまうこともできる。でも今の自分にはそれが難しい。抗うつ剤が効くまであとどのくらいかかるのか、12時間以上も眠ってしまったのは頓服を一度に2つ飲んだせいか、夜の部屋でエアコンの稼働ランプとモバイルバッテリーの残量を知らせる点滅の光だけが輝いていて、それぞれが線香花火、夜間飛行している飛行機の灯火に見える。だとすれば今ここは宇宙だ。それなのに一番星はどこにも見当たらない。